たかが蕎麦、されど蕎麦

の写真は「蕎麦」の実です。日本酒の大吟醸のように、中心部だけをつかった白いそばが「更科」で、黒い外殻を一緒に挽いたのが「田舎蕎麦」ですね。

栃木県足利市の蕎麦打ち職人さんは自分でのし棒を削り出し、漆を塗った表面に真っ白な粉末を均等にまぶします。何の粉だと思われますか? 鮑の貝の微細な粉末で、蕎麦の表面に適度なざらつきを出すためとのこと。彼のお店「蕎遊庵」の名品「さらしな生一本」は幅1ミリ弱の純白・十割蕎麦で750円。

十割蕎麦でここまで細くするためには、のし棒の前に、捏ね方や茹で方も難しいでしょうね。蕎麦や寿司でおなかを膨らませるのは野暮だそうですが、この蕎麦なら一度、腹いっぱい食べてみたいものです。なおのし棒は鮑の粉末を振りかけた後に更に漆を3,4回塗るそうなので、鮑のかけらを期待してもだめですよ。

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