タクシー運転手から学んだホスピタリティ

今朝、乗ったタクシーの座席の前に、『ご自由にお取りください。Please help yourself』と書いてある小さな紙箱があり、箱の中には“カンロのど飴”が入っていました。運転手の方に聞くと、お客様のためにいつも自分が買っているとのこと。

いろいろな飴を試してみたが、車内の温度が高くなっても溶けにくいので、最近はこれに決めているそうです。

また、ワンメーターのお客様が千円札を出される場合が多いので、それに備えて小さな透明ビニール袋につり銭を入れたものを用意していますといって、見せてくれました。彼によれば、車内に飴を置くようになってから、それまで小さなことでもお客様から苦情が出ていたのが少なくなり、降車するときに挨拶をしてもらう率が高くなったそうです。そうすれば、自分も気持ちよく仕事ができるし、これからも続けていくつもりだと言われていました。

これは別のタクシーですが、後ろのトランクルームがとても清潔で、二枚の大きな座布団が敷いてありました。びっくりして尋ねると、「お客様の大事なスーツケースが少しでも傷つかないようにしています。」との答えでした。

昔から、「情けは人のためならず」といいますが、この意味は広辞苑でひくと「情けを人にかけておけば、めぐりめぐって自分に良い報いが来る。 人に親切にしておけば、必ず良い報いがある。」とあります。 この諺の「情け」のところを、「お客様へのサービス」と置き換えることもできるのではないでしょうか。 ところで、「情けは人のためならず」を誤解して、「情けをかけると、それにおんぶに抱っことなり、かえって本人のためにならない」と解釈する人もいるようです。私も昔、そう思いこんでいました。みなさんはいかがですか?

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