不気味の谷

最近、新聞で「不気味の谷」という言葉に久しぶりに再会しました。鉄腕アトム、鉄人28号など、日本人はロボットを人間に近い形状にすることで親しみを感じてきましたが、大阪大学 石黒教授が開発した人間ソックリのロボットは一転、不気味に感じる人が少なくないそうです。これが「不気味の谷」です。

その点、キリスト教徒が多い欧米では、「人間は神様のみが創ることができる」として、ロボットの形状を人間に近づけることに嫌悪感を抱くと言われています。

いまチャットGPTなどの生成AIについて議論が沸騰しています。チャットGPTを開発したサム・アルトマン自身も生成AIの発展には「国際的な規制」を考えるべきだと発言しています。

これはヒトとコンピューターの間の距離感が、これまでの快適ゾーンを超えて、不快と感じる距離に近づいていることを示しているのでしょうね。レッドゾーンに足を踏み入れたのかも? これまで便利な部下として育成してきた部下が、いつの間にか上司になってしまったとき、素直に部下の成長を喜べるか否か! いかがですか?

以下は「距離感」についての蛇足です。むかし全日空ホテルマン時代、海外ホテルのエレベーターの床面積を決めるとき、ヒト同士が不快を感じる距離と国民性との関連性について議論したことがあります。そのときに狭いテントの中で暮らすアラブ人は、その距離が短いことを教えてもらいました。今朝、チャットGPT君に尋ねたところ、日本人は50cm~1m、アメリカ人は1m以上、そしてやはりアラブ人は30~50㎝との答えが返ってきました。以前よりだいぶ距離が広がっていますが、これも「格差社会」を表しているのでしょうか?

 

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