歩歩是道場

明治政府外相として欧米等15ヵ国との不平等条約改正を成し遂げた陸奥宗光は、30代のころ山縣監獄に「明治政府転覆計画」に加担した罪で5年間入牢しています。

そこでは、囚人たちに乞われて①英語の初歩、②杜甫・李白の漢詩、③芭蕉『奥の細道』などを教え、後には刑務官たちも受講しています。またベンサムの著書を翻訳し、出獄後に出版しています。

私は長崎国際大学で鎮心流茶道を学び、そこで「歩歩是道場」という禅語を知りました。今置かれている場所が、すなわち自分を鍛える道場であるという意味です。

陸奥宗光にとって、牢獄もまさに「道場」だったのでしょうね。私はいま、後期高齢者としてややユルイ道場で毎日を過ごしていますが、近いうちにもっとちがう道場で他流試合を挑みたいと考えています。

以下は蛇足です。今週初め、地元建設会社の新入社員研修(一日6時間、2日間 喉がかれました)の冒頭で、定番のアイスブレーキング質問をしました。「死ぬ直前、最後の食事は何を食べたいですか?」 もう10年以上もやっていますが、今回本当に久しぶりに私と同じ答えが出ました。嬉しかったですね。「オムライス」です。「なんだ、そんなつまらないことで喜ぶのか?」という声がきこえそうですが、小さなことでも嬉しがる、喜ぶ ー そのほうが毎日楽しいのではないかと思っています。いかがでしょうか?

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