虐待とアカハラ

大学に来て初めて「アカハラ」と聞いた時、子供のころに八女の田んぼで捕まえて虐めていた腹の赤いイモリ「アカハラ」しか思い浮かびませんでした。もちろん正解は「アカデミック・ハラスメント」ですね。

一昨日の日本経済新聞に山梨県立大学西沢哲教授が「虐待 もしかして私も?」という大変キャッチ―なタイトルで小論を発表されていました。内容は「子育て」におけるしつけと虐待の混同についてでしたが、以下の部分は、「親と子」の関係だけではなく、「上司と部下」「教師と生徒」「客と店員」の関係にも読み替えられるのではと思われたので引用します。オノオノガタ、胸に手を当ててお読みください。

(1)日本人は一般的に怒りを抑圧するように教えられるが、コントロールして表現することを習得しておらず表現が下手。抵抗できない子供に一度怒りが表に出ると、とどまるところを知らない。
(2)虐待に走る親は自己肯定感が低い傾向にあり、子供が言うことを聞かないと親としての無力感を覚えて傷つく。そこで自分はうまく子供を育てているという安心感を得たいために、子供に体罰を重ねたり暴言を吐くことで支配する。

いかがでしたか?実は数か月前、二人の息子に何気なく「お前たちは反抗期もなく本当に育てやすかったな」と言ったところ、「当たり前だろう、親父は徹底的な専制君主だったからな。反抗でもしようものなら、半殺しにされていた。」と言い返されてショックを受けました。横で女房が黙ってうなずいていたのを見て傷つきました。

 

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