「心理的安全性」という言葉は最近よく耳にしますね。要するに「風通しがいい」ということで、職場の中でも気兼ねなく自分の意見を言うことが出来ることが大事だということですね。さて、ちょっと似ていますが「心理的距離感」とは? いま日経新聞「やさしい経済学」コラムで、慶応大学島津明人教授が「エンゲイジメント」について書かれています。今日が7回目ですが、そこでこの「心理的距離感」という言葉を知りました。
島津先生はこれを「仕事から物理的にも精神的にも離れている状態で、仕事のことや問題を考えない状態」と定義されています。要するに、職場でボケーっとしている時間をもつことが、仕事の生産性向上につながるということです。
そこで思い出したのが、あるテーマパークの従業員食堂のことです。食堂の壁には園内イベントを連想するポスターなどが一切貼られておらず、ましてや園内で流されているテーマ音楽などがBGMとして流されることはないそうです。食堂は、お客様応接に疲れて食堂に来た従業員にとっての大事な「リセット」の場としてとらえられているんですね。
今振り返ると、私がホテル総支配人をやっていたころは、従業員食堂の壁には現在開催中の「レストランフェアー」などのポスターがぎっしり! さらには食堂の入り口に、従業員が割った食器の破片を入れた木箱を置き、そこにその買値合計額を書いた立て看板をたてて「割るな!」という暗黙のプレッシャーをかけていました。(正直、当時はグッドアイディアだと内心自慢していたものです)
およそ「心理的距離感」とは真逆のマネジメントですが、今頃反省しても「反省するのはサルでも出来る」と叱られそうですね。ゴメンナサイ!