「貢献寿命」

この言葉、ご存じでしたか? この言葉は一橋大学大学院檜山敦教授の研究テーマだそうです。檜山先生によれば、

(1) 近年の社会科学的・医学的な研究によって、高齢期を豊かに過ごす上で、社会とのつながりが注目されている。
(2) そこで我々は、「健康寿命」の次の新しい考え方として『貢献寿命』というキーワードを提唱している。これはヒトが何歳まで自分の住む地域の中で、周りの人や生活にどれくらい関わりを持っているかということである。
(3) 多くの日本人は地域の中で行われている活動に参加することが大事だとは感じているが、なかなか実践できていない。
(4) その理由のひとつが、自治体も民間活動団体もそれぞれ細かく縦割りになっていて、一元的に検索できるプラットフォームがないことである。
(5) 今後、自分たちはこの情報プラットフォームの構築を目指していきたい。
   
 そういえばマズローも、「欲求5段階説」のなかではヒトの欲望の最上位に「自己実現」をあげましたが、彼の残した草稿では更にその上に「社会貢献」を考えていたそうですね。ある解説本では、その実例として功成り名を挙げたビル・ゲイツ夫妻がアフリカなどで行っている社会奉仕・社会貢献活動があげられていました。その時は、あまりにも我々とは次元の違う世界のことだと真剣に考えることはしませんでした。

 しかし今、高齢期ど真ん中に至り、「貢献寿命」をすこし本気で考えるべきではないかと思い始め、先ずは自分が住んでいるマンションの中でなにかお役に立てることはないかとうろつき回っている今日この頃です。

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