イヤな言葉遣い

最近、政治家や経済人が、やたら「~させていただきます」という言葉を使っていません? 私、これが生理的に大嫌いなのです。 たとえば出席者がまだ全員そろってないが時間が来たので開会を宣言する ー こんなときにはいいのでしょうが、一見こっちの了解を求めているようにみせて、実際には自分の決断を押し付けているだけということが多いですよね。阿った魂胆が見え見えです。

これは私が長年思っていたことですが、俳人の俵万智さんも最近SNSで同じ指摘をされていました。俵さんといえば以前、娘さんが『集中は疲れるけど、夢中は疲れない』と言っていました。やはり蛙の子は蛙ですね。

先日このメールで紹介していた小説『BUTTER』を読み終わりましたが、こんな文章がありました。

「塩バターラーメン、ひとつください。あ、バターましまし、ハリガネで」 具材は胡麻と青ネギのみという潔さ。きっちりと四角いバターが二つ、澄んだスープにだらしなく姿を消し始めていた。その奥には黄味の強いちぢれ麺が沈んでいる。スープに溶けたバターは、黄金色の円をいくつも浮かべていた。円に麺をわざとくぐらせるようにして、口に運んでいく。ややかんすいの味が強いものの、噛み応えのある茹で加減が悪くない。スープをすする。鶏ベースの淡白な味わいに、遠くでかつおの風味もただよう。熱い汁が、乾きすぎて痛いくらいの喉を潤しながら落ちていく。身体の中心にバターのしずくが落ち、弧がじわじわと大きくなっていくのがわかる。バターの膜が理佳(主人公)の内側に張り付いていく。気付けば、頬骨の出た男がじっとこちらを見ている。理佳はそれを気にせず、ひたすらラーメンに挑んでいく。」

すぐに階下のスーパーに駆け下り、安売りしていたマルちゃんの「麺づくり 鶏だし塩ラーメン(ノンフライ細麺)」にバターを入れて食べました。YUMMY!

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