イラン・イラン人 vs. トランプ

先日お送りしたエマニュエル・トッドのユーチューブや斎藤貢元イラン大使(2018 – 2020)の話などをもとに、少しまとめてみました。ご参考になれば幸いです。

【イラン・イラン人】
*大ペルシャ帝国の末裔として民族的な誇りを強く持っている。しかし、そのためにしばしば自信過剰となって大きな痛手を受けてきた。しかし、そのたびに民族の結束が高まるという傾向がある。
*父系家族による部族中心のスンニ派(中東では多数派)と異なり、シーア派(中東ではイランなど少数派)は核家族化が進んでおり、論理的な思考や科学技術が重視される。また組織化(国家・軍隊)も進んでいる。
*教育・知的分野では他の中東諸国に比べ女性進出が進んでいる。大学進学率では女性が男性を上回る分野も多く、医学・理工系にも女性が多く進出している。
*1979年のホメイニ革命は、専制的なパーレビ王朝を倒してイスラム共和国を樹立した中東初めての「民主革命」であった。しかし、長年パーレビ王朝を支えてきたアメリカやヨーロッパが過度に介入したため、これに抵抗する過程で宗教者の立場が強まって現在に至っている。

【現在のイラン・イスラエル・米国の紛争】
*「今回、イスラエルに巻き込まれてアメリカはやむなく参戦した」という見方もあるが、中間選挙をひかえ、トランプは「いまならベネズエラ同様の成果を短期間で上げられる」と考えて戦争を仕掛けたのではないか?という説も有力である。
*アメリカはこれまでもイラクやアフガニスタンで多くの教訓(あの地域はホットポテトである!)を得ている。このため、これまでCIAやFBIなどにはこれらの戦争経験者が配置されていた。しかし、トランプは彼らも一種のエリート集団(ディープステート)であるとして排除し、外交経験のない側近を重用するようになり、これまでの経験や正確な情報を通じた判断ができなくなっている。
*トランプはポーカーゲーム(ブラフを多用)をやっており、イランはチェスをやっている。お互い違うゲームをやっているために、今後の予測が立ちにくい。
*イランにとっては、ホルムズ海峡封鎖を通じて、いかに自国が世界経済に大きな影響力を持っているかを知らしめる絶好の機会となっている。

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