風鈴、金魚、艾(もぐさ)、朝顔、飴、虫、シャボン玉・・・。 これは、江戸時代に世話物歌舞伎の中に登場してくる「物売り」が扱っていた商品の数々です。ほとんどが男で、舞台では当時の人気役者が扮し、その浮世絵がまた売れていたそうです。いまでは大きなスーパーに行けばワンストップでみんな手に入り、セルフレジで買い物完了!味気ないものですね。
その点、私が住んでいるマンションのすぐ側には、戦後すぐに出来た戸尾市場や、防空壕跡を利用したトンネル市場があり、鮮魚、海産物、ホルモン、味噌などの専門店が軒をならべており、通学児童も店のオバちゃんたちと元気に挨拶を交わしています。
ここでふと気になり、笠置シズ子の「買い物ブギ」を聴いてみましたが、商店主の「オッサン」が連呼されていますが、「オバサン」は最後にちょこっと出てくるだけ。いまあの「オッサン」たちはどこに行ったのでしょうか?
しかし、後継者難という世間の潮流は抗いがたく、私がここに引っ越して来た10年前ごろからでも、飲食店などへの業態変換の波がひたひたと押し寄せてきています。美味しい人気店もあり、また違った楽しみが増えてはいるんですが、高貴高齢者にとっては一抹の寂しさもぬぐえません。
今ゴールデンウイークの真っ最中ですが、時間はたっぷりあるものの、カネがありません。オッサンとしては、せめて近場の波佐見陶器市に明日行ってみようと考えています