就業規則を決めることとなり、全部で36ページ、スチューデント・メイドにおける人事のあらゆる問題について、対処法が記されていた。私がそれを「ガイドブック」と呼びたかったのには理由がある。これは不動のルールではないのだ。誰かの人生を、人間が決めた恣意的なルールで縛りたくなかった。ガイドブックに記された方針は、全て絶対的なものではない。その点に同意するなら、これらの判断をリーダーシップ・チームに任せて、私は安心してオフィスを離れることが出来る。
ついに全社ミーティングを行う日が来た。「これを見て」。私はオフィスの床に貼った一本の長い灰色のダクトテープを指さした。「これはザ・ラインです。私たちリーダーシップ・チームは毎日、このラインの上に立ちます。たとえて言ってるのよ。私たちは皆さんを支えて、話を聞いて、気にかけて、信頼して、権限を与える。仕事に必要なあらゆるツールを提供する。私たちは毎日、あなた達に投資して、より良いチームメンバーになれるように、より良いリーダーになれるように、手助けする。それを約束するために、私たちはここに立ちます。」
「でも、毎日ラインの上に立つのは、私たちだけではありません。あなた達も立つんです。仕事に来るときはいつも、全力を尽くすという意気込みが必要です。スチューデント・メイドのコア・バリュー(10箇条)に基づいて判断を下すこと。私たちやチームメイトからのフィードバックに耳を傾け、心に留めて、そこから成長すること。あなたたちが会社を信頼していることを、チームを大切に思っていることを、行動で示してください。そして、私たちはそういう姿を見て、あなたたちの失敗を受け入れます。失敗しても、向上するチャンスを与えることを約束します。無制限にチャンスがあるという意味ではありません。つまずいたら、改善するための計画を自分でたてる。私たちはその手助けをするのです。