ガウディが設計したグエル公園を後にして、サグラダファミリアへのタクシー乗り場に行こうと妻と一緒に坂を下りていきました。途中で小柄な若者とすれ違いました。若者はすれちがいざま、「旦那、コートの背中にデジョンの糞がついています」といって上空を指さしました。たしかに大きな鳥が数羽、ゆっくりと飛んでいます。若者は、手に持ったペットボトルを見せながら「たまたま水を持っているので、汚れを落としてあげましょうか?」と尋ねます。うなずくと、後ろに回ってコートに水をかけながらごそごそ。
チップをとズボンのポケットに手を入れる間もなく、彼はすたすたと立ち去っていきました。私たちは「スペイン人って、なんと親切なのか」と感激しました。
もうここで、勘のいい皆さんはお気づきになったでしょうね。そうです、バルセロナオリンピックで世界中から集まったスリの多くがそのまま居残り、ここはスリのメッカとなっているのです。
そのままタクシーに乗り、サグラダファミリア前で財布を擦られたことに気が付いてからのドタバタは、いまは良い旅の思い出です。警察では盗難届(日本語バージョンあり!)に記入し、コピーを保険会社に送ったら、後日申告通りの金額が振り込まれてきました。もう少し多めに申告しておけば良かったと大いに反省しました。

