今年6月早朝、街路灯がない道を速足ウオーキング中に道路わきの花壇につまずき転倒。幸い吹っ飛んだ眼鏡がオシャカになっただけで済みましたが、以来少し明るくなってから出かけるようにしています。
そこで気づいたのが聴覚と視覚のトレードオフの関係、いわゆる「代償作用」です。以前は暗い中をヘッドフォンでTED(英語プレゼンテーション)を聴きながら歩いていたのですが、明るい中を歩いていると英語がなかなか聴き取れないのです。これは視覚の働きが増加し、それだけ聴覚が減ったのだと考えた次第です。以上は、つい先日、東京パラリンピックでブラインドサッカー選手の超人的なパフォーマンスを観て思い出しました。
ところで健常者の五感は、圧倒的に視覚が占める割合が高いと言われています。しかし、昔 明治神宮の薪能に招かれ、暗闇のなか長い境内の参道を歩いた時に踏みしめた玉砂利の音は、素晴らしい神殿や杉木立など他のどんな設えよりも神道の深遠さを感じさせてくれました。 人間国宝能楽師の舞は全く覚えていませんが、あの時の砂利の音は今でも耳に残っています。