「コンピューターが人間を超えそうになったら? 簡単さ、コンセントを抜けばいい。」これは50年ほど前の漫画のなかのセリフですが、とても印象に残っています。
しかし今日、すべての人間社会に網を張り巡らせたコンピューターネットワークの電源を切るなんて、とてもできません。もしかしたら、コンピューターは深謀遠慮で、そうなるように徐々に人間を仕向けてしまったのかもしれませんね。
昨日からは、日本(6冠井山裕太)中国、韓国からの最強棋士とコンピューターソフトの合計4人(?)による世界囲碁最強リーグ戦が始まりました。初戦でコンピューターは中国人棋士(世界ランキング第二位)に惜敗しましたが、かなりの接戦だったそうです。なにしろ、コンピューターは人間と違い、疲れたり、落胆したりしません。トイレ退席もありません。チェス、将棋に続いて囲碁も近いうちにプロ棋士を陵駕するんでしょうね。
ある人がこんなことを言っていました。
「自動車と人間が競走したら、人間がかないっこない。それでも100メートル走やマラソン競技はなくならないだろう?」そうか、そうなんだ。末端の囲碁ファンとしてプロ棋士とコンピューターのどちらが強いかで喧々諤々の議論をしているのがアホらしくなってきました。
そういえば、ビジネスの世界でも、コンピューターが最善の経営判断してくれるようになり、経営者や経営管理者は不要になるのではという議論もあります。しかし、コンピューターが導き出した経営判断を、従業員が理解しやすい表現で、しかも彼らのモチベーションを掻き立てるように伝えることができる人間は、少なくとも当面は必要不可欠なはずです。
また「好奇心」というのも、未だ今のところコンピューターの能力に入ってないそうですね。ウオルト・ディズニーもこう言っています。
We keep moving forward, opening new doors, and doing new things, because we’re curious and curiosity keeps leading us down new paths.
好奇心だけは高段者涙と自負していますが、悲しいかな好奇心だけでは囲碁は上手になりません。 死ぬまでには初段を取りたいと希い願いながら、毎朝3時からテレビの囲碁専門番組を見ている毎日です。