働き甲斐

一昨年、ハーバードビジネススクールの季刊論文集のサブタイトルが「あなたの会社に”働きがい”はありますか」でした。コロナ禍で最近はちょっと出番が少なくなっている政府主導の「働き方改革」が ”働きがい”には必ずしも直結していないのではと考えている私に大変大きな示唆を与えてくれました。

昨日の「社会人基礎力講座」のテーマがこの ”働きがい”でした。私は社会に出れば、通勤時間を含めると一日の起きている時間の大部分が仕事に占められ、”働きがい”は ”生きがい”に直結すると考えており、毎年このテーマには力を入れています。しかし、いつも学生たちの顔を見ると、がもうひとつピンと来ていないようでです。「そりゃあオマエの教え方が未熟だからよ!」 ー それを言っちゃーお終いよ!

昨日、ふと頭に浮かんだのは、そもそも学生たちは身近に “働きがい”を見聞きすることが無いのではということです。 いまは農業や自営業の家庭は減少し、お父さんやお母さんが農作業やお客様との応接を通じてどんな苦労や喜びを感じているかを知る機会が圧倒的に少なくなっています。(自分でも見ている)仕事を終え、一日を振り返りながら晩酌を楽しむ父さんの姿は、(何をしているか分からない)会社からくたびれて帰宅してお酒を飲むお父さんとはちがってみえるのではないでしょうか?

その意味で、リモートワークはお父さんやお母さんの働いている姿を見るたり、感じたりすることが出来ます。これまでは仕事と家庭を画然と切り離すことが近代化であると考えられてきましたが、この二つの境界をうまく重ね合わせることで、とても大きな成果 ー 子供たちの社会人教育など ー を上げることが出来るのではないでしょうか? 私は波佐見や有田の窯業関係者と会う機会があるのですが、お年寄りも若者も生き生きとしているのはこのためではないかと考えました。いかがでしょうか、オノオノガタ!

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