梅と桜

佐世保ではもう桜が散り始めました。日本語では桜の花は「咲いて 散る」、そして梅の花は「ほころんで こぼれる」と使い分けれられます。

ではこれらの言葉はいつごろから使われ始めたのか? チャットGPTに尋ねたところ、「ほころぶ」は「源氏物語」(平安時代)あたりから使われ始めたようですが、ほかの言葉はすでに「万葉集」(奈良時代)に出ているそうです。

もっとも明治初期には「梅は咲いたか 桜はまだかいな・・・」という端唄が大流行しています。このように言葉は時代で変化するものではありますが、私たち日本人はコトバの感受性、特に季節感はこれからも大事にしていきたいものです。

そこでコトバの感受性を訓練しようと、最近は世界で最も短い詩といわれる俳句を考えるようにしています。これは雨が降りそうだった一昨日にひねり出したものです。

「桜雨 いざ漕ぎ出さん 花筏」
よく見ると季語が二つも入っていました。調べてみると、「季重なり(きがさなり)」といって、季節の移り変わりや対比、象徴的な深さを表現したいときなどには許される、ただし上級者のワザだそうです。はたしてこれは駄句なのか、それともすでに上級者の域に達しているのか? それが問題です。

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