母語のチカラ

ウイーン国立歌劇場(オペラ座)では、長い間イタリアオペラでもドイツ語で上演されていましたが、その後原語での上演が一般的となりました。きっかけはカラヤンであったそうです。その後、小澤征爾がオペラ座の音楽監督に抜擢された当初、イタリア語のセリフ(特に方言やダジャレ)をうまく捕まえられず、不評だったと聞いたことがあります。

日本では、外国語で作られた詩を日本人が訳したものを崇め奉っていますが、作者の母語(原語)の韻の踏み方までは完ぺきには訳せないはずで、果たしてどこまでワカっているのか不思議でなりません。

以前、川端康成がノーベル文学賞をもらったことを三島由紀夫が褒めた時、「私の文学が誰か知らない人に外国語に翻訳されて、どこまで理解されているのかわからない」と苦虫をかみつぶしたような表情で答えたビデオが印象的です。

 

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