水五則(訓)

むかし大先輩から教えてもらった「水五則」を紹介します。これは「水」に例えて人間としての生き方を説いていて、豊臣秀吉の軍師であった黒田官兵衛が座右の銘としていたものです。だれが創ったのかはわかっていませんが、後に黒田官兵衛が「如水」と名乗ったのも、この「水五則」からではないかと思われます。

第一則 自ら活動して、他を動かしむるは、水なり。

第二則 常に己の進路を求めて止まざるは、水なり。

第三則 障害にあって、激しくその勢力を百倍し得るは、水なり。

第四則 みずから潔くして汚濁を洗い、清濁あわせ入れる量あるは、水なり。

第五則 洋々として大海を満たし、発しては霧となり、雨雪と変じ、霞と化す。凍っては、玲瓏たる鏡となり、しかもその性を失わざるは、水なり。

山に降った雨が、途中で岩にぶつかったりしながらも次第に大きな川になってゆき、まわりの塵や汚れを洗い流しながら最後には大海に注ぎ込む。その間、蒸発して水蒸気になったり、あるいは氷ってしまうこともあるが、どんな時でも水としての本質を失うことはない。インターネットで「水五則」を検索していたら、この有名な教えと、美空ひばりの晩年の名曲である「川の流れのように」とを関連付けている方もおられました。

 

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