私自身も寄稿した『波佐見は湯布院を超えるか』という単行本(長崎文献社刊 2,000円)の出版祝賀会が波佐見でありました。
私は、司馬遼太郎さんが著書『項羽と劉邦』のなかで、劉邦を「いわば大きな袋のようであった。(中略)賢者は自分の優れた思考力がそのまま限界になるが、袋ならばその賢者を中に放り込んで用いることが出来る」と表現していることを引用し、波佐見が実に多くの、そして若い外部人財を惹きつけながら発展しているさまを書きました。本当に魅力的なまちです。温泉もありますので、ハウステンボス観光を兼ねてぜひ一度来られてください。
その後、陶器市会場に赴き、過去4年ほどいつも立ち寄る陶芸家長野恵之輔さんの小さなブース(原則値引きなし)で今年も一つ作品を買い求めました。長野さんは長崎大学水産学部を卒業後、教職に就かれ平成5年に波佐見中学校校長を定年退職されました。40歳ごろから陶芸をはじめ、退職金をはたいて窯をつくり、専業陶芸家の道へと踏み出されました。一昨年も大きな賞を受賞されています。とてもアンテナの高い方で、好奇心の塊だということは、その作品の多彩さによく表れています。私は自分もこんな華麗な生涯を送れればいいなと、いつもうらやましがっています。
特に今年買い求めた飾り皿は絶対の掘り出し物であると自負しており、私が生きているうちに息子が「なんでも鑑定団」に持ち込んでくれることを願っています。なぜ自分自身で持ち込まないか?あのテレビ番組を見られている方には、その理由はおわかりだと思います。