犬がマーキングするたびに飼い主がペットボトルの水をかける風景が最近では当たり前になってきましたね。チャットGPTに訊いたところ、アメリカでは「犬がオシッコするのは自然なこと、環境には大した影響はない」などの理由で、この美風(?)は一般的ではないそうです。
今朝の早朝徘徊時、ふと学生時代に読んだ有吉佐和子の『複合汚染』 を思い出しました。汚染水を出している企業が、大量の水で薄めて排水することで国の基準をクリヤーしているが、汚染物質の総量は変わらず、それが河川や海水の中で蓄積していくことを鋭く指摘していました。これを読んだときには、まさに「目からウロコ」でした。
もちろん犬のオシッコと工場排水とは何の関係もありませんが、最近は昨日何を食べたかを思い出せなくとも、ずいぶん昔のことがヒョコンと思い出されます。これも老化現象ですね。
ところで「水」といえば、日本には「水に流す」という言葉がありますが、私が調べた限り、英語では同じ意味を「水」をつかったイデオムで表すケースは見当たりませんでした。
最後に、ほとんどの方はご存じだとは思いますが、豊臣秀吉の知恵袋といわれた黒田官兵衛(黒田如水)が人のあるべき生き方を「水」に例えて諭した「水五則」をあらためて紹介します。
一.自ら活動して他を動かしむるは水なり
二.常に己の進路を求めて止まざるは水なり
三.障害にあい激しくその勢力を百倍し得るは水なり
四.自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せ容るるは水なり
五.洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり雲となり雨となり
雪と変じ霰(あられ)と化し凝(ぎょう)しては玲瓏(れいろう)
たる鏡となりたえるも其(その)性を失はざるは水なり
私がロサンゼルス駐在時、ANAグループの旅行部門で米国代表だった方は、外国人の取引先にこの「水五則」を墨で書いて渡し、大変喜ばれてました。