「そもそも土と木という字を使いながら、そこから離れ、生きもの離れの最たるものが今の土木に見えて仕方がありません」
これは元JT生命誌研究館館長中村桂子さんの言葉です。私たちはいま「土木工事」にどんなイメージを持っているでしょうか?少なくとも私はコンクリートや鉄骨でつくる橋梁や道路が頭に浮かびます。「土木技師」は英語では ”civil engineer” です。 初めて聞いた時には不思議に思いましたが、”civil”の語源は ”citizen(市民)” ですから、土木技師は市民生活に役立つ技術者という意味につなるのでしょうね。
たしかにコンクリートや鉄骨が現在の市民生活を守ってくれているのでしょうが、以前、川岸に桜の木を植えるのは、花見の客が土を踏み固めるから、それが立派な護岸工事になっていると聞いたことがあります。これこそ土木工事の基本ではないかと気づいたことがあります。
蛇足ですがタイトルの「目からウロコ」は、新約聖書使徒行伝の一節に由来する言葉だそうです。