頑張れ!日本のプロ野球

「近頃は(プロ野球の監督は)優勝しなくても、2位、3位になれば格好がつくので、負けが込んでも途中で変わることがなかった。勝負の世界としては大甘もいいとこだ」「サッカーのようなライセンスがないことも影響している」

これは故豊田康光さん同様、いつも辛口の論陣を張る野球評論家権藤博さんの言葉です。

私は、子供のころから「智将 三原修」「親分 鶴岡一人」「ノムさん野村克也」などなど、その当時のチームと監督とはワンパッケージでとらえており、シーズン中でも頻繁に監督の首をすげかえるサッカーには違和感を持っていました。

もしかしたら、選手と監督が同じユニフォームを着て試合に臨むという野球のスタイルが根っこにあるのかもしれません。またスポンサーである大企業も企業イメージの観点から、頻繁な監督交代を好まないのかもしれませんね。監督人事が親会社トップの個人的な好悪によって決まっているチームも少なくないようです。

ところで2024年6月1日の欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝にコマを進めた独ドルトムント。23年の平均観客動員数は、スペインのFCバルセロナに次ぐ世界2位の約81,000人で満席率はほぼ100%。同年の売上高は約4.2億ユーロ(約710億円)ですが、そのうちチケット販売や場内飲料売り上げは10%程度、残りはテレビ放映権やグッズ販売、広告収入、サッカースクールなどが占めています。驚くのは選手の獲得と放出のソロバン勘定です。2013年から10年間では、ドルトムントが支払った選手獲得額は約1,500億円、受け取った選手売却(?)額はほぼ同額ですが、イタリアのACミランは獲得額約2,700億円、売却額約1,700億円と大幅なマイナスとなっています。完全にスポーツというビジネスですね。

我が国のプロ野球のマネジメントも、出来るだけ早くスポンサー企業から一本立ちしてチームとして監督選任だけでなくもっと自由な意思決定が出来るようにすべきではないでしょうか?

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