天丼チェーンのホスピタリティ

私が「てんや」で500円の天丼を食べ終わって、薬をのもうとしたら、気付いた店員が「冷たくない水をどうぞ」と言ってグラスを持ってきてくれました。思いもかけない気遣いに嬉しくなってお礼を言うと、このことは4年ほど前からすべての「てんや」チェーン店でやっているとのこと。それ以外にも、こんなことをやっているそうです。

 ごはんのみ50グラム減らし、てんぷらの量はそのままにという、お客様の「わがまま」を50円引きで受け入れる。

 高齢者用に、夏でも温かいお茶を用意したり、イカのてんぷらは細かく切って出す。

ファーストフード店と言えば、マニュアル一辺倒と決め付けがちですが、必ずしもそうではありません。  お客さまが、ラーメンの麺の固さを指定できるというアイディアを最初に始めたのは博多魚市場の屋台のラーメン屋さんだと聞いたことがあります。 私も福岡出身なので、そこにはよく行っていましたが、おなかを空かした若い人は、麺だけ(替え玉)を当時50円で追加注文することができました。むかしは、こんなきめ細かな気配りあふれるサービスは、ホテルでしかできないと思われていました。今はどうでしょうか?「てんや」と同じレベルのサービスでは、お客さまは満足してくれませんよね。

なぜなら、お客さまが私たちのホテルに来られるときの期待の大きさが、「てんや」のようなファーストフード店に行かれる時とまったく違うからです。赤ちゃんを抱えたお母さん、日本語が話せず不安そうな外国人、書類を見ながら食事されているビジネスマンetc.etc.私たち一人一人が、どんな気配りでお客さまの期待に応えているのでしょうか?

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