昨日、楡周平『限界国家』という近未来小説を読み終え、その冷徹な日本の将来予測に打ちのめされていたところ、今朝の日経に五島の「限界集落 半泊(なかどまり)」の特集が出ていました。あまりのタイミングの良さに驚いています。
AA 大手不動産会社(東京建物、伊藤忠都市開発、三井不動産)出身の30代3人が、企業保養所をリゾートホテル「カラリト五島列島」に転換。
*イメージは、司馬遼太郎の小説に出てくる「からりと晴れた空」
*その実現のため、スタッフはあえてホテル経験者よりも人柄を重視して採用
BB キリン出身の3名(マーケター、ブレンダーなど全員50代のスペシャリスト)が「五島つばき蒸留所(ジン製造)」を開設。
*目指すイメージは、「東京のバーでシングルモルトを飲むと、旅先で訪れたスコットランドの風景が想い浮かぶ」という村上小説のワンシーン。
*現在、Amazonでは720mlビンで21,980円の大人気商品となっている。
CC 元ダイヤモンド社編集者(女性 40歳)は、小学校の廃校を利用して宿「めぐりめぐらす」をプロデュースし、ワーケーション事業を手掛ける。
五島では2015年に50人程だった移住者は増え続け、直近では年250人を超している。その多くは30代以下で、どれだけの移住者が住み続けられるかを示す「5年定着率」は8割を超えています。
社会学者ヴェブレンは、「ヒトは自分の得意なことや、やりたいことをするとき、最大のパフォーマンスを実現する」と言いましたが、上記 AA,BB.CC はまさにドンピシャリの事例ですね。
これからの学校教育は既存の知識を覚えさせるだけでなく、もっと学生一人一人が「自分の得意な事ややりたいこと」を見つけ、育むことに力を入れるべきなんでしょうね。