昨年夏、金賞1名30万円につられ、「香り」について自由に表現したエッセイを募集する「第39回 香・大賞」に応募しました。昨日、入賞作品集が送られてきましたが、青島シャングリラ「香格里拉」ホテルのロビーの香りを薫り高く綴った(つもりの)私の作品はあえなくスカ! しかし応募総数6万点のなかから選ばれた作品を読み、納得しました。
入賞作品集の巻頭に、審査委員長の一人である哲学者鷲田清一氏の特別寄稿エッセーが掲載されていました。これがいま私が仲間と一緒にはじめようとしている自宅マンション(127戸)のコミュ二ティづくりに大変有益な示唆を与えてくれました。今回落選はしましたが、とても大切な余禄を頂いたと感謝しています。以下にその一部を引用します。もしお時間があればお読みください。
「運命共同体のような緊密な結びつきはときに息苦しい形になって、団結とか裏切りといった観念や、残忍で陰湿な仕打ちに迄ぶれてしまう。(中略)同期や同志とか家族とか、強く一体を求める結合に締め付けられるのは、痛いし、暑苦しいし、また気づかぬうちに寄り集まって激流となりやすい。たがいの違いにふれて、それをむしろ心地よいとおもう。そういう微妙な距離をはさんだふれあいという意味で、いつもやわらかくそよいでいたい。」
そして鷲尾先生のむすびは「このそよぎという感覚の鍛錬の一つとしても、”香道”はあるのだろう」でした。そこにもって行くのか!座布団3枚ですね。たしかに夏風にそよぐヒマワリ畑も、もし全てのヒマワリが全く同じ方向を向いていたら気持ち悪いですよね。