偉大なホテルマンの教え

“We are ladies and gentlemen serving ladies and gentlemen.”
「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です」
“Elegance without warmth is arrogance.”
「どんなに優雅な仕草でも、そこに温かい心(ホスピタリティマインド)が宿っていなければ、それは傲慢でしかない」

 この二つの言葉は、高級ホテル会社リッツ・カールトンや、カペラホテルズ(シンガポールのホテルは、2016年の米朝首脳会談の舞台となった)を創業したホルスト・シュルツの言葉です。

 彼はドイツの地方都市で生まれ、14歳でホテルの皿洗いになった叩き上げのホテルマンです。リッツ・カールトンの全社員が携帯し、毎日唱和している「クレド CREDO」の有名なスローガン「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です」の誕生秘話をシュルツは著書『Excellence Wins』のなかで次のように次のように述べています。

 「ホテルスクールで作文の宿題が出た。私はそのころ仕えていた70過ぎの給仕長(メートルディ)が、全てのお客様から一人の紳士として尊敬されていたことを思い浮かべながらこの言葉を書いた。生まれて初めてA評価をもらって嬉しくなり、それ以来いつも忘れたことはない」

 もう一つの「どんなに優雅な仕草でも、そこに温かい心(ホスピタリティマインド)が宿っていなければ、それは傲慢でしかない」は、シュルツがインタビューを受けているユーチューブビデオで見つけました。ホテルなどホスピタリティ産業にお勤めの方には、とても参考になるのではないかと愚考します。

この言葉は、時々高級ホテルで働くホテルマンに見られる「慇懃無礼」なサービス態度に対する強烈なしっぺ返しですね。もっとカッコいい(語呂の良い)日本語に訳したいのですが、私の英語力では難しいです。どなたかアドバイスを頂けませんか。

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