(1)牛丼「吉野家」への出資は、食料出身の丹羽宇一郎さんがまとめた案件。社内でも聖域化していた。
(2)私が考案した「かけふ」改革。そのなかで、リーダーシップ型が試されるのが「防ぐ」だ。相乗効果を生まないなら、将来の損失の温床になりかねない。早めに「防ぐ」に限る。無謀な進軍を止められるのは社長だけだ。事業に関わらず「3期連続赤字なら撤退」のルールを徹底した。
(3)私は食糧カンパニーの反発を押し切って、吉野家に引き取ってもらった。
実は私も全日空ホテルズ時代、新規ホテル開発案件(海外)の稟議の中に「もし黒字転換が5年経っても実現しないなら、その時点で継続か、撤退かを再審議する」という付帯条件(トリガー条項)を入れるように提案したことがあります。するとある役員から「やる前からそんなことを言うのは、お前にこの案件に対する自信がないということだ。やめろやめろ!」と叱責されてしまいました。
当時私は課長でしたが、中野幾次郎著『失敗の本質』を読んでいたので、このアイディアには絶対の自信があったのですが ー あえなく頓挫してしまいました。
また(1)の「聖域化」、これも正直、当時「安徳、いいか、これは○○○(当時のトップの名前)プロジェクトだからな、気をつけろよ」という教育的指導を受けたことがあります。
けさも、岡藤さんの日経新聞「私の履歴書」の一端をご紹介させていただきました。みなさんの会社ではいかがでしょうか?