昔、来日した高名なクラシック音楽演奏家がこう言ったそうです。「日本人のお客さんは大変まじめで素晴らしい聴衆ですね。ただ気になるのは、私たちのどんなミスも聞き逃さないぞと、怖い顔で聞いていることです。私たち自身は楽しんで演奏しているのに、彼らはあれで楽しんでくれているのでしょうか?」私にはグサッと刺さるコトバでした。私は学生時代にクラシックギターをすこし齧ったので、いまでも演奏会では(たぶん怖い顔をして)演奏家のミスタッチを探しています。
最近、音楽学者の兼常清佐さんが著書『残響』に書かれたこんな文章が目に止まりました。
「音楽は聞いておもしろければそれで音楽の目的は十分達しております。その上に何にも別に音楽がわかるわからないといふような、やかましい問題はありません。それはちゃうど菓子にたとへられます。菓子は喰うてうまかったら、その上何にもいふことはありません。菓子がわかるといふような事は意味のないことです。音楽は耳で喰う菓子のやうなものです」
みなさん、いかがですか? 最近美味いお菓子を食べられましたか?

