NGO「沈黙を破る」をご存じですか?

イスラエル軍元兵士たちが、自分たちの兵役時代に行ったパレスチナ人への暴力や差別行為をイスラエル国内で赤裸々に証言し公開し続けているNGO「沈黙を破る」があることを今朝の日経新聞『春秋』で知りました。念のためにユーチューブで調べると、長い間中東に滞在していたジャーナリスト土井敏邦氏が2009年に発表した同名のドキュメンタリー映画(当時多くの映画賞を受賞)を紹介しているテレビ番組ビデオが二本(各約7分間)見つかりました。URLを下段に張付けています。

土井氏自身も出演して、とてもクールな発言をしています。二番目のビデオでは、イスラエル議会での国会議員と元兵士との激しい論争シーンも出てきます。こんなシーンが公開されていることに驚かされます。ビデオのなかで土井氏が言っていたことと符合するのが、たまたま最近読了した重松清著『ファミレス』の中に出ていた次の文章です。
”正しさはもちろん大切なんですが、優しさの方がもっと大切なんだと僕は思う。だって、正しさと正しさがぶつかってしまうこと、あるでしょう? 戦争なんて、まさにそうです。でも優しさと優しさはぶつからない。二つの優しさが出くわしたら、一つの大きな優しさになるんです。”

「正しさ」を「宗教」に置き換えてみると、これまでいかに多くの「宗教戦争」が世界各地で行われてきたか、また今も行われているかに慄然とします。 しかし、イスラエル人の中にもパレスチナ人の中にも、それぞれ「優しさ」は絶対にあるはずです。どうやってそれを紛争解決の表舞台に登場させるか ー どうすればいいのでしょうか?

なお昨年、土井氏は映画「愛国の告発 ”沈黙を破る” PART2」を発表しているようです。チャンスがあれば見たいと思っています。

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