VWって何? フォルクスワーゲンではありませんよ。

VW おわかりですか? これはノーベル医学賞受賞者山中伸弥さんが米国で恩師から「研究者として成功するたった二つの秘訣」として言われたことで、「Vision and Work hard」のことです。山中博士によれば、W (一生懸命に働く)については問題ないと自信がありましたが、「では、お前の研究(仕事)のビジョンは? つまり、お前は一体何のために研究しているんだ」と訊かれて戸惑ってしまったと述懐されていました。

苦し紛れに「今の研究を進めて、いい論文を書き、研究費をたくさん集めて、偉くなりたい」と答えたそうですが、恩師からは、「それはビジョンではないだろう。ビジョンを実現するための手段に過ぎない」と叱られたそうです。

たしかに、私が長年従事してたホテル業界でも、「一生懸命に働いて偉くなりたい、できれば総支配人に」を目指している方が多いと思います。正直、私もそうでした。 しかし、山中博士の恩師からみれば「それはビジョンを実現するための手段でしかないのでは。お前は総支配人になって何がしたいのか、どうしたいのか ー これがビジョンである」と言われそうですね。

そこで山中博士は自分のビジョンを一生懸命に考え抜いて「生命の謎を究明し、いまは治らない病気やケガを治せるようにする」という自分の研究のビジョンを確立することが出来たそうです。

また山中博士は帰国後に大学で研究生活に入ったのですが、研究用ラットの飼育を上司に指示されて本来の研究時間が取れず、一時は鬱になってしまったそうです。米国ではマウスの飼育はそれ専門のスタッフが行い、研究者は自分の研究に専念できる環境にあるとのこと。彼によれば、日本の大学で務めると、なにしろ「雑用」が多くて本当に困惑させられることが多いそうです。

もう一つ、山中博士が言われていたことが、他の分野の人と交流することの大事さです。山中教授もIPS細胞の研究で行き詰っていた時、バイオテクノロジーの研究者との雑談の中で大変大きな気付きを得たそうです。日本の大学でも、せっかく多くの学部・教員がいるのですから、教員も学生ももっと積極的に他学部と交流することが大変大事であると教えられました。

ところで、いま私は自分が住んでいる築14年の佐世保市内マンション(約120戸)の長期修繕計画(今後30年間)の策定をお手伝いしていますが、山中博士のお話を聞き、やはり「いったい私たち居住者は、今後このマンションをどんなマンションにしていきたいのか?」というビジョンを共有し、そのうえで、ビジョン実現のための長期修繕計画(資金計画を含む)を作っていかなければならないのではとの思いを強くしました。居住者のコンセンサス取り付けは簡単ではないとは思いますが・・・・・「やれない、と思った瞬間にやれなくなる」という諺を胸にきざみながら、いまからヨタヨタと船をこぎ出していきたいと考えています。なお私は全く泳げませんので、転覆だけは避けたいものです。

なお今回のb.c.c.平信のネタは、NHK地デジEテレで昨晩放映された「NHKアカデミア 選 山中伸弥」です。NHKオンデマンドで視聴できるのではないでしょうか? おススメします。 

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